日本の歴史や文化が詰まった日本刀を収集する!日本刀の種類や管理について詳しく紹介

このサイトでは日本刀の種類や時代性、購入するときのポイントについて広く紹介しています。
最近ではアニメやゲームで、刀がピックアップされることが増えています。
そのため特定の刀名を見聞きして憧れを抱く人も多いことでしょう。
しかし意外と知らないのが実際の知識です。
刀にはどんな種類があるのか、購入や管理の仕方など、知らないことばかりです。
そういった実際の知識を得ることで、より楽しく日本の刀に親しめることでしょう。

日本の歴史や文化が詰まった日本刀を収集する!日本刀の種類や管理について詳しく紹介

日本刀にはいくつかの種類がありますが、ここでは「太刀」「打刀」の違いについて説明します。
「太刀」は2尺(約60cm)以上の長さを持つ、大きく湾曲した刀のことです。
振り下ろしやすい太刀は騎馬戦に向いており、鎌倉時代によく用いられました。
戦国時代になり、徒歩による集団戦が戦の主になると「打刀」が主流になります。
私達が日本刀と聞いてイメージするのは「打刀」です。
また日本刀の管理は、油を塗ることで錆びを防ぐのが基本です。
よく映画などで日本刀の手入れとして紙で拭っている場面を見ますが、これは古い油を拭っているのです。

日本刀の手入れってどうすればいい?

まずこれまで手入れをしてきた歴代所有者と日本刀に感謝の意を込めて一礼します。
それから日本刀を袋から出し、鞘から刀身を出せる程度にします。
邪魔にならないように袋を縛ります。
釘抜きの平らな面で目釘を押し緩めます。
右手の親指を左手の付け根に当て、サヤを破るように力を入れます。
刀身が鞘の側面に触れないように注意しながら、ゆっくりと鞘から刀を引き抜く。
左手の付け根を右手のこぶしで叩くと、刀身が柄から少し飛び出すはずです。
次に柄の下を握って刀を抜く。
油取り専用の色分けされた油で、刃の背側から拭き、古い油の大部分を除去します。
中子の方を拭き、中子の錆が磨いた刃に移らないように注意しながら、刃の長さに沿って拭いていきます。
内子玉を刀身にそって非常に優しく、後縁と平らな面だけを叩いて、内子粉を刀身全体に行き渡らせます。
柔らかいティッシュか、起毛した綿の布で、刀身に推奨される刀剣用オイルを薄く塗ります。
この時中子の錆が刀身に移らないように、また、ムネを忘れないように注意してください。
刀身に十分な油が塗られていることを確認します。
油の塗りすぎは鞘の寿命によくありません。
それから柄交換として刃を慎重に柄の中に入れます。
手のひらで柄の根元を軽く叩きカチッと音がして、正しくはまったことがわかります。
刀を鞘に戻して袋に入れたら元の位置に置きます。
最後にお辞儀をしてお手入れは終了です。

日本刀を美しく保つために適した保管場所

日本刀を観賞用に自宅に置く人が多くなっています。
その際に気を付けたい保管方法や保管場所、長期間の保管をしたい場合にはどうしたらいいのでしょうか。
日本刀の刀身については、湿気を避けた場所に適しています。
その際、鞘に入れて保管するのが一般的ですが、立てかけて置いたりせずに、横にして置いておく事がポイントです。
理由としては、鞘には錆防止の為絶やさず刀身に塗っている油が多少なりとも中で動き、立てかけておくと鞘の先の方に油が溜まってしまう事があるからです。
また、刀身は湿気を嫌いますが、鞘については、ある程度の湿気を必要とします。
近いイメージとしては、ワインを管理するワインセラーのようなイメージでしょうか。
湿度も大事ですが、一日や一か月の温度の変化が少ない方が、水分の付着を防ぐ事が出来ます。
勿論、直射日光が当たる等は論外になります。
それでももし日本刀が錆びてしまった場合は、素人が手を出すべきではありません。
錆を取る方法は色々ありますが、日本刀はとても繊細な管理をする事で美しさを維持する事が出来るので、信頼出来る研師に相談すべきです。

日本刀のおすすめな飾り方と置き場所

日本刀の飾り方でおすすめなのは、刀掛けの上に置くというものです。
刀掛けとは木材やアクリルなどで作られているもので、横向きに全体を支えておくことができます。
しなっている刀でも安定して飾ることができるので、地震などが起きても安心です。
展示用のケースを作ってもらうのも良いでしょう。
刀掛けは抜身で飾ることはできませんが、専用のケースならばその輝きをいつでも鑑賞することができます。
ただし錆びることがあるため、湿気が入り込まないような配慮が必要です。
置き場所に適しているのはやはり和室です。
和室ならば床の間が設けられていることも多く、日本刀の展示場所に向いています。
掛け軸などと合わせれば、とても雰囲気がよく仕上がるのでおすすめです。
和室のない家ならば、寝室に置いてみるのはいかがでしょうか。
夜間でも人がいるので、盗難の被害に遭うことも少なく安心です。
しかし安定して飾るのは難しいため、壁に刀掛けを取り付けるなどの工夫が必要です。

日本刀の種類とそれぞれの刀剣が持つ特徴

日本の伝統工芸品でもある日本刀は、アニメやゲームなどのヒットもあって、今では日本のみならず世界でも高い人気を誇っています。
日本刀にも種類があり、異なる特徴を知ることで魅力を再発見することができます。
直刀は、反りの付いた刀ができる以前に作られた刀です。
古墳時代から奈良時代にかけて制作されており、反りがほとんどなく真っすぐか、わずかに内反りで平造りや切り刃造りとなっています。
太刀は、美術館等で展示する際に、刃を下に向けて飾ってあるもので、平安時代後期から室町時代前期まで腰に吊るして用いたものです。
反りが高く、刃長は70~80センチほどあります。
刀は、太刀に変わって室町時代中期から江戸時代末期まで使用されたもので、太刀よりやや短いという特徴があります。
太刀とは逆に刃を上にして腰に指します。
脇指は30.3~60.6センチ以下のもので、刀と同じく腰に指します。
桃山・江戸時代には「大小」と言って、刀の予備として一組にして用いられていました。
この他にも短刀や剣といった小さなものもあります。

楽しみが倍増する正しい日本刀の鑑賞作法とは

歴史的にも価値が高い日本刀は、国内に多くの愛好家がいるため美術館や博物館で展示を見たり、実際に鑑賞会に参加するという方も増えてきています。
日本刀の鑑賞会は、普段至近距離で触れることができない刀剣を直接触れることができる非常に貴重な機会なので、適切な作法を身に着けておく必要があります。
日本刀は湿気や汚れに弱い美術品であるため、手に持って至近距離で見る場合マスクやメガネを装着すると刀身に息がかからないので安心です。
また傷をつけないためにも指輪や時計など貴金属品は事前に外しておきましょう。基本となる作法は最初に日本刀所有者や制作者に対して感謝の一礼をしてから、刀を手に取り鋒を天井に向けて表・裏の順に観ます。
袱紗など布を手に取り刀身を置いて地鉄を観て茎と上身の境にある区から鋒へ向かって観ることが一般的です。
次に袱紗にあてたまま刀身を持ち上げ、角度をつけながら刃紋を確認し、鋒や茎の順番に形状を観て最後に感謝を込めて一礼を行うことがマナーとなります。

鑑賞以外で登録が必要になる日本刀の所持

日本刀を所持するためには登録が必要になります。日本には銃刀法という法律があり、原則的にこれに当てはまる銃砲とか刀剣を所持することは認められていません。
ただし例外はあり、今では少ないかもしれませんが野生動物の狩猟をするために必要な銃は必要な手続きをした上で認められています。
それと似たような感じで、単に鑑賞などの目的で日本刀を所持する場合、都道府県の教育委員会に届出を行い登録証が発行されれば合法的に所持ができます。
もし日本刀を購入するような場合は、現時点の持ち主が違法所持でない限り、基本的には鑑定書などの他に既にこの登録証が発行されているはずですから、現物と併せてそれらも受領することになりますので留意しておきましょう。
なお、どのような日本刀であっても登録証が発行されるかというとそのようなことはなく、あくまでも美術品としての価値があると認められたものに限りますので、この点は注意しておく必要があります。

日本刀の価値を決める相場や人気の刀工流派

日本刀を親の遺産相続においてゆすり受けることがあります。現代において日本刀はよほどの愛好家しかその価値をわかっておらず、刀とは無縁な人にとっては二束三文の何物でもありません。
だがコレクターの中では非常に高値で取引され、年々その価値が高騰し得ているのも事実なのです。
日本刀の価値は、買取査定に出せばすぐにわかってきます。査定では投稿流派なども査定さえることになるんです。
大和伝、山城伝、備前伝、相州伝、美濃伝とおう五箇伝は人気が高く高額査定が期待できるんです。
このような刀工流派以外にも刀匠といった作家の作品の出来栄えもシビアに査定されるのです。
位列と言って五種類に分類され、上位の最上作は最も高額査定が期待できるようになるんです。
年代も非常に重要であり、平安末期の物であるとその希少性は高く非常に驚くべき金額がつくこともあります。
しかし流派や刀匠、年代だけでなく、刀の切れ味や欠点などもシビアに査定し、そこから査定額は減額されていくこととなります。

ランク付けされている日本刀の種類

刀に対して無知であり、興味関心がないものからすると日本刀であればどれも一緒に感じてしまいます。
しかし刀は日本の伝統美であり、文化でもあって世界に誇れる芸術作品でもありシビアにランク付けがされているんです。
その基準には様々なものが見られます。例えば五箇伝と言って製造される地域によってもシビアに区別され、価値をはかる手掛かりにされているんです。
さらには刀匠の作品の出来栄えによるランク付けも見られます。位列という5種類の区別があって、上位の最上作の日本刀は希少性が高く芸術作品として高い評価を得てるんです。
日本とはそのほかにも切れ味などの格付けもあり、業物位列と呼ばれます。
刀業界や買取業者ではこれらの基準を手掛かりに、その価値を見極め査定額を打ち出すのです。
ただこれ以外にも傷や欠損、製造過程出来るひび割れ、鑑定書や不測品の有無など多角的に査定し、その日本刀の価値がはかられるわけなのです。
こうしたことを頭に入れて日本刀を鑑賞したり、査定に出すと良いでしょう。

日本刀は海外に持ち出すことはできる?

日本文化は昨今、アメリカや中国・フランスなど世界各国で人気となっておりインバウンド客もたくさん来日をされています。
とくにサブカルチャーな面が幅広い年代に受けており、アニメや漫画・ゲームなどとなります。
その影響で日本刀にも注目が集まり、なかにはわざわざ来日をして買い求めたいという方もいるほどです。
そこでここでは、日本刀を国内から海外に持ち出すことができるのかという疑問にお答えしましょう。
結論からいうと、例外を除いては持ち出す事はできません。国際条約に明記をなされており、武器となるものを諸外国に一般人が持ち込むのは禁止となっています。ただし、文化交流を背景とした政府機関の許可を得ている場合は可能です。
美術展などがそれにあたりますが、個人では許可はおりません。つまり、日本刀を買い求めて海外から訪れたとしても、本物を手に入れられないというわけです。
模造刀というレプリカの場合は自由に買いもとめて持ち出せます。

著者:岩木栄

筆者プロフィール

北海道根室市出身。
家中に飾るほど日本刀に魅せられたコレクターで、コラムも執筆しています。
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